フランス人
海外旅行できたフランス人たちは、彼らを例の物を見るような目つきでじっと見ている。
だれもやらない。
手を次の客に、これもやらない。
次から次へと、この無言の応酬はつづけられたが、何も起こらなかった。
これは、征服者と被征服者との永い間の冷たい関係を見る思いであった。
やがて男はバスの中から、何も言わないで降りていった。
バスの中には、夫婦らしき二人つれもいたし、親子つれもいたが、そのあとでだれも何も言わなかった。
まるで何もなかったかのように。
こうやって三、四日、このダカールに滞在した。