白人が黒人を見る目
白人が黒人を見る目は、物を見る目と同じである、と思った。
さて、その黒人ポーターにバッグを持たれて、いや持たせて、銀行の出張所の前に並んだ。
セネガルの通貨にかえるためにである。
こういうとき、概して飛行場のほうが換算率がいいので、当座の金はいつもかえておく。
市内へ入って、めんどうだからとホテルの中で交換したりすると、とたんにその率は悪くなる。
セネガルの通貨にかえたとき、そのポーターの目がじーっとこちらの手元、そして金を見つめていたのが、妙にそのとき気になった。
海外ツアーのフランス人たちと小さなバスに乗るため、表の出口へ向かった。
バッグ氏もいっしょについてくる。
バスでは客のバッグを屋根にのせる。
その屋根にいる男にバッグを渡すと、ポーターは私の目の前に手をにゅーっと突き出す。
コインを二つつまんでやる。
それでもまださし出している。
もう一つやる。
それでもまださし出している。
もう一つやる。
それでもまだ引っ込めない。
もう一つ、それでもまだだ。
こんどはぐっとにらんでみる。
やっと手を引っ込めた。
こんどは屋根の上の男だ。
客のバッグを全部屋根に積み上げると、さっとおりてきて、バスの中に入ってきて、腰をおろしている客に向かって手を突き出す。