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2011年10月 アーカイブ

ネガルの首都にて

海外旅行で行ったアフリカはセネガルの首都、ダカールへ着いたときはひどかった。


飛行場で、回転台から荷物が出てくるなり、ポーターらしいのが、さっと荷物をひったくるようにしてとりあげる。


こっちが手を出すもので、当たりをつけるのだ。


旅行者は、とりたくても自分のバッグが自分でとれないのだ。


初めての国だし、まあしかたがないやとあきらめるのはこの私だけではない。


このセネガルという国は、フランス領だっただけに、いまのように独立しても旅行者にはフランス人が多い。


そのフランス人たちは、ひょっとすると、さらわれたという意識すらないみたいに、彼らにバッグを渡したまま、淡々としている。


こういうときの白人が黒人を見る目は、一種独特である。


冷ややかでもなければ、無視もしない。


そうかといって親しげでもない。


ましてや話しかけたりはしない。


バッグを持ったというより、バッグが動いてそこにあるという考え方か。

白人が黒人を見る目

白人が黒人を見る目は、物を見る目と同じである、と思った。


さて、その黒人ポーターにバッグを持たれて、いや持たせて、銀行の出張所の前に並んだ。


セネガルの通貨にかえるためにである。


こういうとき、概して飛行場のほうが換算率がいいので、当座の金はいつもかえておく。


市内へ入って、めんどうだからとホテルの中で交換したりすると、とたんにその率は悪くなる。


セネガルの通貨にかえたとき、そのポーターの目がじーっとこちらの手元、そして金を見つめていたのが、妙にそのとき気になった。


海外ツアーのフランス人たちと小さなバスに乗るため、表の出口へ向かった。


バッグ氏もいっしょについてくる。


バスでは客のバッグを屋根にのせる。


その屋根にいる男にバッグを渡すと、ポーターは私の目の前に手をにゅーっと突き出す。


コインを二つつまんでやる。


それでもまださし出している。


もう一つやる。


それでもまださし出している。


もう一つやる。


それでもまだ引っ込めない。


もう一つ、それでもまだだ。


こんどはぐっとにらんでみる。


やっと手を引っ込めた。


こんどは屋根の上の男だ。


客のバッグを全部屋根に積み上げると、さっとおりてきて、バスの中に入ってきて、腰をおろしている客に向かって手を突き出す。


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